石英ガラスは自然界では2,000℃の温度で溶解し、冷却化にともない硬化しガラス化します。
1970年、ゾル・ゲル法の考案によりシリカゲルを1,000℃以下の温度で溶解しガラスとして硬化させる技術が発達しました。この溶解温度低下をともなったゾル・ゲル法の活用は人類にとって大きな技術革新でした。それでも1,000℃に近い高温を必要としました。
そして20世紀末に人類は液状化した石英ガラスを私たちの生活している温度で安定化、硬化させる方法を見つけ、常温領域でのガラス生成が可能となりました。
それがFLUID GLASS 液体ガラスです。
液体ガラスとはテレビ、マスコミがつけた名称で、研究者の間では常温ガラスという名称で呼ばれています。
常温ガラスは1液もしくは2液タイプのシリカ溶液で、常温施工により各種基材に硬質で密着性に優れた非晶質のセラミックス膜を形成する常温硬化ガラス型塗料・常温ガラスコーティング剤です。
この被膜は可撓性に富み、紫外線に強く超耐久性を発揮するとともに、不燃性、撥水性、耐透水性、耐薬品性、耐汚染性に優れています。
液体ガラスのパイオニアである有限会社タートル(モクテックカメムラ)が開発した液体ガラスは2種類有り、浸透性ガラスを「液体ガラス」、常温でガラス塗膜を作るコート材について「ガラス塗料」という名称で分けています。
液体ガラスはガラス物質【glass material】が原料の水溶液で、コンクリート等の多孔質材料に浸透し、それらの内部に存在するミネラルイオンと化学反応し、浸透部及び表面にガラス物質を析出します。

不燃性
この塗料、改質剤はガラスそのものになりガラスの持つ不燃性をそのまま持ちます。
他の塗料で特にクリヤーの分野ではあり得ない特性です。
高耐候性
この塗料、改質剤はガラスそのものになりガラスの持つ2つめの特性、高耐候性を持ちます。紫外線照射で劣化しません。太陽光で劣化しない世界唯一の塗膜性能を持ちます。
安全性
塗料の溶媒はアルコール、液体ガラスの溶媒は水です。
安全性にこだわり、シンナーはもちろん毒性のあるものは徹底的に排除して作ってきました。
原理
液体ガラス【fluid glass】が固体であるガラス物質【glass material】への化学変化は、金属が水または溶液と接するとき、陽イオンになる傾向から説明できます。例えば、金属M1が別種の金属イオンM2を含む電解質溶液に接するとき、M1のイオン化傾向がM2により大きいほど下記のイオン置換反応は右へ進みます。
M1(未解離)+M2(イオン)→M1(イオン)+M2(未解離)・・・①
液体ガラス【fluid glass】は、次のように加水分解されます。
M12SiO3+H2O→M12SiO5+M1OH・・・②
ただし、式②中
M12SiO3=M12O・SiO2、M12SiO5=M12O・2SiO2です。
材料中のM2O等が、液体ガラスと反応してM2のガラス質塩【a silicate】及びコロイド【colloid】 のシリカ【silica】を生成します。
M12SiO5+M2O+ H2O→M2SiO3+SiO2+Si(OH)4+M1OH
このような原理でできたガラス物質【glass material】が、コンクリートの隙間を埋め無孔質層を形成することにより、強度、表面硬度、防水性が向上します。
またこのガラス物質化の化学変化した分子構造は安定化し永久的といえる効果が持続します。
「液体ガラス」と水ガラス系改質剤、シリコーン改質剤との差異
コンクリートに水ガラス系改質剤を塗布しても、分子構造が不安定で、水に触れると溶解してしまいます。よって水ガラスはいずれコンクリートから溶脱して効果は無くなってしまいます。
シリコーン系改質剤に代表される高分子系改質剤は、当初は撥水効果等の性能がでますが、紫外線による有機物分解等により3年もたてば、劣化し効果がなくなります。
これらに対し「液体ガラス」によって生まれ変わったコンクリートは化学変化により強化され、内部に水が浸透することも空気に触れることもなくなりますので酸化を防ぎ中性化現象も起こりません。
そして、一度、化学変化を起こし石英ガラス化したものは、永久的といえる効果があります。また、コンクリートの状態にもよりますが、データーから200年から800年持つコンクリートに生まれ変わります。
また、施工法によりひび割れないコンクリートを作ることも可能です。
※以上は特許技術です。特許番号、特許の内容について知りたい方はモクテックカメムラに直接お問い合わせください。